勉強トピックス
中学・高校英語の勉強
高校英語の基礎って?
「英語の基礎」って何でしょう?
と考えてみると、数学や理科のように明確ではないようにも感じます。
単語?
短文?
文法?
・・・
中学英語の勉強は高校に比べると単純です。
基本的に「単語」と「多少の多読」。そのつきに「文法」
これである程度までの成績は見込めます。
一部の上位私立・国立の高校を除けば、十分な実力に達したりします。
けれども高校英語はそうはいかないようです。
英語を勉強しに入塾する生徒を見ていると、多くの生徒は文法はなんとなく分かっている。単語は学校で単語テストが毎週あるから、やはりある程度は覚えている。教科書の文章もそこそこ読んでいるよ。でもできないという生徒が多いのです。
これを頑張ると中堅大学か、それよりちょっと上のレベルの英語なら何とかなったりします。(得点源にはならないでしょうが。)
けれども難関大以上には届かない。じゃあどうするか?覚える単語を増やす?多読量を増やす?
それでも何とかなるものもあります。
私自身がそうでした。文法大嫌い。多読を中心にすれば、どうにかなるだろうと勉強を始めたのが高校2年生の1学期でした。
毎週、NewsWeek英語版を買って読んでいました。薄い雑誌ですが、文字は小さく、高校生にとっては教科書と比べると全然多い文章量です。ちょっとした長文問題集1冊分くらいはあると思います。内容も経済やら科学、環境など高校生には読み慣れないものばかりでした。
これを高校3年の夏休みまで続けたのですが、結局7月の模試での偏差値は60くらい。悪い偏差値ではないのですが、努力に全く見合っていない気がしました。その後は夏休みに過去問演習を1日2本のペースで行いましたが、難関大や東京理科大などの英語は十分にできるものの、早慶や国立最難関レベルでは苦戦していました。ならいいじゃないかと思ったりもしたのですが、、、
何より。もう一度繰り返しになりますが、圧倒的に努力した時間に見合っていない。
それから、要約などは、何となく状態。「うまくて説明できればいいんじゃないか」くらいにしか思っていなかったのですが、今見てみると、どうやら英語の文章構造の基本を知っていれば、何を入れなければならなくて、何は入れてはいけないか。そして、これが把握されれば文字数制限は絶妙にできていたりします。
和訳も直訳と意訳の違いも分からず。求めれているのが直訳的なものなのか、意訳的なものなのかも判断付かず状態。これも今見てみれば、その差は結構分かるものだったりします。
これらは、完全に英語の基礎を鍛えなかったためでした。
これに気づいたのは大学院で学んでいたときです。
あるとき、指導教官の先生にこんなことを言われました。
「この論文、ちょっと怪しいよね。」
これを聞いて「ん?なんで怪しいってわかるんだ?」と思い、先生に聞いてみたら読み方の精密さが全然違うのです。
なるほど、論文は何となく読めるのではダメなのか。
・・・当たり前ですかね。当たり前ですね。でも当時はそんな風な読み方しか知らなかったのです。
考えてみれば、大学で扱われる英語は1,2年では教養書や一般向けの学術書、3,4年生以上では専門分野の論文です。何となく読めればOKというものではなく、正確に読む必要があるものです。これは、就職したあとにも、契約書や法律や行政関係の英文にもつながる読み方のようにも思います。
このような英文を扱うための入学試験ですから、やはり問われるのは「何となく読めればよい」というレベルではなく「正確に読める」とか「筆者の意図も読み取れる」というレベルを求められているものでしょう。こう考えると、受験英語は実は将来役に立つものかも。
この点で中学のとき(高校受験)の英語と性格が違うもので、そのために勉強方法も同じままでは良くないのは当然ですね。
では高校生にとっての英語。つまり正確に読めるようになるための英語の基礎って何かと考えると「 「文型」と「修飾」についてのしっかりした理解 」になります。
けれども、文型については「高校のはじめの方に教わったけど、それきり。」とか修飾についても「詳しくする説明」とか「説明を加える」くらいにしか思われていないことが多くあります。逆に英語が得意な生徒は、少なくとも文型は意識していたりします。
単語はもちろん覚えなければなりません。けれども覚えることがスタート地点で、覚えてもそのまま使えるものでもありません。これも高校生にとって英語が難しく感じる原因の1つかもしれません。
高校生の英語の基礎として
「文型」を中心にした文法と構文の理解。
これと単語覚えで、まずは勉強を進めること。これで、英語はしっかりとできるようになります。
また「文型を中心とした文法の理解」があることで、文法問題や語法問題もかなり覚えやすくなります。そのため、これらの学習は基礎がある程度固まって来てから行うことで。よりしっかりと、より効率的に勉強が進みます。
(スクラムnext 田中克典)