2024年4月28日に行われた北辰テスト中学3年第1回の結果が返却されました。気になった問題を復習しました。
正答率と難易度が合っていない問題
最初に、問題自体の難易度(特に問題の複雑さ)と、正答率が合っていないない問題が気になります。
まず難易度に対して正答率の低い問題:第1問(7)、第3問(2)
どちらも関数の問題です。
第1問(7)の正解率:偏差値 70から65で 46%、65から60で 26%
第3問(2)の正解率:偏差値 70から65で 28%、65から60で 9.5%
次に、難易度に対して正答率の高い問題:第2問(5)-2、第4問(2)
第2問(5)-2:偏差値 70から65で 76%、65から60で 47%
第4問(2):偏差値 60以上では 90%超え、偏差値55から50で 73%
第2問(5)-2は規則性の問題、第4問(2)は角度に関する図形問題です。
これはどういうことか?
難易度(問題の複雑さ)については、正答率の低い関数の第1問(7)、第3問(2)と、正答率の高い第4問(2)は同程度と考えても良いと思います。
ここで同程度というのは、次のように考えた場合です。
「どうやって解くか?」という解き方のパターンとしては、正答率の低い関数の2問はあまり見ないもので、正答率の高い図形の第4問(2)はよく見る問題です。この点では関数の難易度は高く、図形は低いと感じられるかもしれません。
けれども「どうなっているか?」を把握するように解く場合、この場合は「問題文にあることを図やグラフに書き入れて、分かったことを式にする」というプロセスで解き進めますが、このようなプロセスで見た場合には、これらの3問の解き進め方は同じプロセスであり、問題の複雑さは同程度と考えられます。第3問(2)は少しだけ複雑さが高いかもしれませんが。
解くプロセスと複雑さが同じくらいなのに、図形問題の正答率は高く、関数の正答率は低いというのは、図形では「どうなっているか?」を図に書き込んで解き進めるということを多くの人ができるのに対し、関数では「どうなっているか?」をグラフに書き込んで解き進めることが習慣かれていないということではないかと思います。
関数が難しいからできないのではなくて、関数の解き進めるプロセスが適切に行われていないから解けないということでしょう。
つまり関数も「どうなっているか?」を把握するようなプロセスをできるようにすれば、正答率の低い第1問(7)も第3問(2)も、正答率の高い第4問(2)と同じくらい簡単に感じるようになるということです。
第4問(2)は偏差値55から50での正答率が72%です。この問題を解けた人は、第1問(7)や第3問(2)の関数も解ける可能性が高いということです。
問題の複雑さや誘導の複雑さという点では第2問(5)-2の規則性の問題は難しい問題です。他の回の北辰テストや公立高校入試の規則性の問題と比べても難しいでしょう。
けれども、正答率が悪くないのです。これは先ほどの関数と比べて逆の現象です。
この問題ができているのに、関数の問題ができていない人はそれなりにいると思います。これらの人は、関数の学習のしかたでかなり損をしているとも言えます。
普通の成績から目指せる偏差値は?
さて、このように解き進めるプロセスに着目して2024年北辰テスト中3第1回の数学全体を見てみます。
複雑の高い問題:第2問(2)、第2問(4)、第2問(5)-2、第4問(3)
合計4問
となります。これらの問題は確かに難しいと思います。今、できない人が、できるようにするには、3か月以上の練習期間が必要になると思います。
これら以外の問題は第4問(2)ができた人には、できるようになる可能性が高いでしょう。3か月以内の練習期間でも可能かもしれません。
そして、上記の複雑性の高い4問以外をすべてできたとすれば、得点は82点、偏差値は71となります。
偏差値71、普通の人でもとどく成績です。目指してみませんか?